ふるさとについて

ふと、ふるさとについて。藤村の「千曲川旅情の歌」に詠われた、暮れ行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛
の、浅間山を眺める佐久平が私のふるさとです。
今年の浅間は雪が少ないですが、いつものごとく、噴煙は風になびいています。
冬の風景はどこか、さびしげですが、春から秋へと、美しい山肌の景色をみせてくれます。
きょう、自分が撮った写真です。

画像


 「恋慕」

コンポーズグリーンと 
エメラルドグリーンに下腹部をおおわれ
コンポーズブルーに胸部はきわだち
コバルトバイオレットに頭部は染まり
水色の空に浮かぶ巻層雲の下
もこもことした積雲が 
ところどころに影をグレーに落としている
山なみであるが
抜ける大気圏へと 幾筋もの雲が
三百六十度の空を流れてゆく

高峰・浅間の山なみが北側に
物見山・荒船山が東側に 
続く八ヶ岳の山々・・・
蓼科高原が南に・・・
遥か彼方は北アルプス

ここは 車が走り抜ける
国道から横に入った
視点を 地上一メートルにとれば
屋根の上の空さえ 手にとどく
のどかな地積ではある

パーマネントグリーンの みずみずしい稲草を分けて
田んぼ道が続いている・・・
うだる熱気に我慢していた学校からの帰り道
井戸がある おばさんちにより
ぼくらは みんなしてお腹を冷たい水でいっぱいにし
手や顔を洗って 燃える太陽の 光の放射をあびた・・・

やがて 長い月日が過ぎ・・・

新幹線は走り
マンションは立ち並び 
田んぼも 片隅に追いやられて
心のなかの風景となりつつある 
ぼくたちのふるさと 佐久平であるが
浅間山は 変わらず ぼくたちを見守っていてくれる
内に燃えるマグマの熱い情熱を秘めて


 * * * * * * * * 



高校生の時、教科書にのっていた島崎 藤村の詩です。

 「千曲川旅情の歌」

小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ
緑なすはこべは萌えず 若草もしくによしなし
しろがねの衾の岡辺 日に溶けて淡雪流る

あたたかき光はあれど 野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて 麦の色わづかに青し
旅人の群れはいくつか 畠中の道を急ぎぬ 

暮れ行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の 岸近き宿に登りつ
濁り酒濁れる飲みて 草枕しばし慰む

"ふるさとについて" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント