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<<   作成日時 : 2015/08/07 18:21   >>

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 今月は、亡き母の新盆です。法要日程表をみますと、命日からはじまり、初七日、四十九日、一周忌、三回忌と・・・続いています。思えば、風習として、月遅れのお盆の三日間が、一番亡き先祖におもいをめぐらす自分です。普段は、生活に追われ慌ただしく毎日が過ぎていきます。

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 菩提寺から、法要のお知らせがきたのをを契機に、いろいろとひもといてみました。法要とは法事であり、法事とは、仏教で、死者の追善・供養のためにおこなう儀式とあり、追善とは、死者の冥福を祈って仏事を営むこととあります。冥福とは、死後の幸福とあり、供養とは、仏や死者の霊に物をそなえて、冥福を祈ることとあります。

 思えば、人はこの世での幸せな日々を求めて生きています。ところが、死ぬ間際が大切といわれるように、不意の事故でこの世を去ってしまったり、たとえば、いじめが原因で、若くして自殺してしまったり・・・、なんてなると、あの世での幸せを残された身近な人たちは願うのではないでしょうか。人は幾度も生まれかわって来るといいます。そして生まれかわって来るときには、あの世での記憶を忘れて来ると・・・・・。

 ああ、先に逝ってしまった妹をおもうたび、妹は幸せだろうかと・・・・・。幸せとは、めぐりあわせ。天運。運のよいこと、好運。とあります。この世で幸せでなかった人は、あの世でも幸せになれないのだろうか。幾度となく、この世に生まれてくるのは、この世で、幸せになるためなのだとすると、この世で幸せだった人は、あの世へいったら、再びこの世に生まれてくる必要はないのかも・・・・・。などと、考えてしまうのも、盂蘭盆のなせるわざかも・・・・・。あと幾年かすると、亡き父と同じ年齢になる自分ですが、いつでも、亡き父は、あの世から自分を見守ってくれているのだと感じる私ではあるのですが・・・・・。


 先日、そんな不思議な世界を描いたひとつの小説を想い出しました。それは、数ページの短い物語ではありました・・・・。


  「たてごと」  テオドール・ケルナー


 それは、こんなに愛しあうことができるのだろうかと、私は思ってしまったのですが・・・・。燃えるばかりの、長い間ためされた愛がふたりの結びつきの封印だったのです。
 ふたりが知り合ったのはもうずっと前のことだった。しかし秘書ゼルナーの任命がおくれたばかりに、かれの望みの目標はむりにますます遠くにおしやられてしまった。
 とうとうかれは辞令をもらった。そして、もうつぎの日曜には、ゼルナーは彼の愛する少女を妻として新居へ連れて行った。あいさつや家庭の祝いごとの長い日々がすむと、ふたりはやっとだれにも邪魔されないで、楽しい晩を水入らずで過ごすことができた。
 将来の生活の計画と、ゼルナーのフルートとジョゼフのたてごとだけで時を過ごした。そう、愛しあう秘書と若い妻のふたりは、夢のような蜜月の日々を送っていたのです・・・・。
 

 ところが、ふたりがいつまでも音楽を楽しんでいた、ある晩のことです。すると、ジョゼフが急に頭痛がすると言いだした。彼女は、その日の朝の発作のことを、気づかう夫に黙っていた。はじめのうちはたいしたことなかったが、若いころから神経が弱かったために、音楽に熱中したり、感覚を緊張させたのでいっそうひどくなった。ジョゼフはそれ以上夫にかくそうとしなかった。

 そして、その彼女の病気が日に日に悪くなっていったある日のことです。自分の最期がきたことを予感したジョゼフは、

「ねえ、エドアルト」

 と、最後に夫を自分の胸にひきよせて言ったのです。

「あなたと、あなたの胸に抱かれての高い幸福を見つけたこの美しい世の中から悲しい心を抱いて別れて行きますわ。でも、あたし、これ以上あなたの腕の中で幸福にしていられないなら、ジョゼフの愛はあなたの忠実な守護神として、あたしたちが天上でまた会えるまで、あなたのまわりに漂っています」

 ジョゼフはこう言うと、うしろに倒れて、おだやかに永眠したのです。


       * * * * * * * *

 ゼルナーがどれほど苦しんだかは、ことばでは言えない。かれは長いあいだ生活と戦った。苦しみのあまり健康をそこねた。数週間たって病床から起き上がったが、ゼルナーの手足にはもう血の気がなくなっていた。
 ゼルナーは、ジョゼフの部屋を彼女の死ぬ前の状態のままにしておいた。裁縫用の机の上にはまだ道具がのっていた。そして、たてごとは静かに、手をつけられないで、すみに立っていた。
 ゼルナーはこの愛の神聖な場所へ、毎晩かならず巡礼した。フルートを持って行き、幸福だったあのときのように窓にもたれて、悲しい音色に愛する影への憧れを吹き込んだ。
 あるとき、かれはいつものように想像にふけってジョゼフの部屋に立っていた。明るい月の光がかれのほうに開いた窓から射してきた。近くの塔の番人が九時を知らせた。すると、急にたてごとがかすかな霊のいぶきに触れられたように、ゼルナーの音に合わせて響きはじめた。
 ゼルナーはひどく驚いてフルートを吹くのをやめた。フルートといっしょにたてごとの響きもやんだ。ゼルナーは深く感動してジョゼフの大好きだった歌をはじめた。そして、ますます高く、力強く、弦はかれのメロディーを響かせた。最高度に調和して、音は組み合わされた。
 すると、ゼルナーはうれしさに身をふるわせて床にすわり、愛する影を抱きしめようとして腕をひろげた。急に温かい春風に吹かれたような気がした。青白いきらきらする光がかれのそばを飛びながら通りすぎた。ゼルナーは燃えるように感激して大声をあげた。


       * * * * * * * *


 その楽しい不思議な出来事も長くは続かなったといえば、見えすぎていますか。ゼルナーも、いつしか衰弱して、かれ自身も死の近づいていることを感じていたのです。ぐったりしたある夕方、ジョゼフの部屋に連れて行ってくれとたのんだ。医者は、かれの言うとおりにされた。
 決定的瞬間は近づいた。かれはみんなにさよならを言うと、どうしても居残ろうという医者だけを除いて、みんなに出て行ってもらった。すると、九時の鐘の音がかすかに城の塔から響いてきた。ゼルナーの顔が光輝いた。その青白い顔には深い感動がもう一度燃えた。

「ジョゼフ」

 と、ゼルナーは神にとらえられたように大声で言った。

「ジョゼフ、別れのときにもう一度あいさつしてくれ、きみがそばにいることがぼくにわかるように。また、きみの愛で死を克服するように」

 すると、たてごとの弦が、まるで勝利の歌のように高く、すばらしい和音で、たえなる響きをたてた。そして、瀕死の人のまわりにきらきらする光が射した。

「ぼくは行くよ、ぼくは行くよ」と大声で言って、ゼルナーはうしろに倒れ、生と格闘した。
 たてごとの音がますますかすかになって行った。すると、最後の体力がゼルナーにもう一度強く身を反らさせた。それからかれがすっかり身を反らせると、たてごとの弦は急に、まるで幽霊の手で切られでもしたようにぷつんと切れた。

 医者はちじみあがった。そして、たたかいにもかかわらずおだやかにまどろんでいる人のようにそこに横たわっている死んだ人のまぶたをふさいでやった。それから、深く感動してその家を去ったのです・・・・。


 「見えない世界」

ツインソウルに似て
いつも ふたりでひとつ
そんな恋におちた
ジョゼフとゼルナー

ぼくの恋は いつも
すれ違いばかりでした
でも そんなときでも
妹はいつも そばにいて
くれた

その妹も いつも
話を黙って聞いてくれた
母も この世に 今は
いません

あの世とこの世は
つながっているといいます
こちらからあの世はみえなくとも
あの世から
この世はみえるのかな

暑い暑い毎日ですが
季節は 巡り巡ります
はや立秋 ふと
涼しげな 風が通り過ぎる 
心のなかです
・・・・





・「たてごと」の物語。いかがでしたか。改めて、いろいろと考えさせられました。小説ではあるのですが、すべてが実際に起こった話のようにも受け止められます。あの世とこの世の関係、神様ときらきら輝く光のことなど・・・・。そして、この世に生きるということの意味のようなもの・・・・。暑い毎日、ブログ仲間のみなさん、お体を大切に・・・・。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お盆はどんなふうに過ごされたでしょうか。お盆が過ぎると夏も終わり、という気がします。さみしいような……
こちらは夜は空気がひんやり、虫の音が心地よいです。暑さ、寒さは度が過ぎると心の余裕がなくなります。秋はパワー全開で迎えたいです。
「見えない世界」「ツインソウル」ドキドキしました。興味深い物語ですね。
huko
2015/08/20 20:02
hukoさん、ありがとうございます。お盆ですが、母の新盆も無事終わり、ほっとしたところです。こちらからは見えないが、あの世から見ていてくれるのかなと思います。ツインソウルですが、「たてごと」の物語を読みながら、hukoさんのブログのツインソウルに思いが行きました。ふと、ツインソウルのような恋に落ちたらなとも思いました。秋は、心落ち着く季節ですね・・・・。
ふーちゃん
2015/08/21 06:19

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