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zoom RSS 文月です・・・

<<   作成日時 : 2015/07/05 18:38   >>

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 龍之介は、羅生門、鼻など平安時代の「今昔物語」をもとにした作品を多く残しています。思えば、昔も今も人の考えたり思ったりすることは、そんなに変わらないなということ。また、それらの物語を下敷きに、龍之介は現代の今昔物語を書いたということでしょうか。

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 よく言います。小説のなかでは、どんなことも許されるというか、事実は小説より奇なりと言われるから、尚、小説は面白くしようと、男女間の不倫を描くかとおもえば、恐ろしい狂気という心理描写をしたり・・・。
 私は、龍之介の作品では、「杜子春」や「蜘蛛の糸」のような作品や、「素戔嗚尊」のようにのびのびとした作品に好感を覚えるのですが、、「河童」「或る阿呆の一生」などになると、ピリピリした何かを感じとってしまい、戸惑ってしまいました。それは、作者の生きざまに思いがいくからなのでしょう。人の心はその人自身にだけしかわからないのかも知れません。龍之介は、致死量の薬を飲んで36歳の若さで自殺をしたのです・・・。

 また私は「南京の基督」「邪宗門」などの作品に惹かれるものがあります。

 
未完に終わった 「邪宗門」のあらすじですが、

 堀川の大殿様の子である若殿様は、父親とは容姿、性格、好みすべて正反対で、優しく物静かな人物であった。その生涯は平穏無事なものであったが、たった一度だけ、不思議な出来事があったのです。
 

 それは、大殿様の御薨去から5、6年後、洛中に摩利信乃法師という名の沙門が現れ、障害や怪我に悩む人々を怪しげな力で治してまわり、信奉者を増やしていったのですが、ある時、建立された阿弥陀堂の供養の折、沙門が乱入し、各地より集まった僧に対し法力対決をけしかけたのです。そこでは、大和尚と称されていた横川の僧都でも歯が立たず、沙門がますます威勢を振りまいていったのでした。

とあり、その最後の部分ですが、

「横川の僧都は、今天が下に法誉無上の大和尚と承わったが、この法師の眼から見れば、天上皇帝の照覧を昏まし奉って、妄に鬼神を使役する、云おうようない火宅僧じゃ。されば仏菩薩は妖魔の類、釈教は堕獄の業因と申したが、摩利信乃法師一人の誤りか。さもあらばあれ、まだこの上にもわが摩利の法門へ帰依しょうと思立れずば、元より僧俗の嫌いはない。何人なりともこの場において、天上皇帝の御威徳を目まのあたりに試みられい」と、八方を睨みながら申しました。
 その時、また東の廊に当って、
「応」と、涼しく答えますと、御装束の姿もあたりを払って、悠然と御庭へ御下りになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。  (未完)


と、なっているのです。

  * * * * * * * 

 何が面白いって、洛中に魔利の教と申すものをひろめはじめた摩利信乃法師という人物と巷で一般に信仰されている阿弥陀如来の聖僧との幻術の戦いの描写は見ものです。未完で終わっているので、以後は想像するしかないのですが、話しのなかには、光源氏のような、堀川の大殿様の子である若殿様と中御門の姫君との恋物語がからみ、中御門の姫君と摩利信乃法師は幼なじみのような関係にあり、面白い展開になっているのです。

 龍之介はどのように考えていたのかわかりませんが、私は、摩利信乃法師の使う、目にはみえない何か大きな力とは、いったいなんなのだろうと・・・・・。

 しかし、作品のなかの人物の力強さとは、うらはらに龍之介は、精神的に不安定となり、早い死を迎えてしまったのですが・・・。

  
   * * * * * * * *


 私は思うのです。やはり、事実は小説に優ると・・・。と同時に、小説は小説としての面白さがあるのだと。だからこそ、世の中に、詩とよばれるものがあることの救いもあるのだと・・・。


 終わりに、龍之介の小説「河童」のなかのトックの書き残したひとつの詩の紹介です。


    椰子の花や竹の中に
    仏陀はとうに眠っている。

    路ばたに枯れた無花果といっしょに
    基督ももう死んだらしい。

   しかし我々は休まなければならぬ
   たとい芝居の背景の前にも。

  (そのまた背景の裏を見れば、継ぎはぎだらけのカンヴァスばかりだ?)


・話がとりとめのないものになってしまいましたが、生きて行くということが、一篇の詩のようであればいいですね・・・。


 「文月です・・・」

誰がいったか
キリストの生きかたそのものが
ひとつの詩なのだと

ぼくの好きな
アルルのはね橋や糸杉と星の道
などをを描いたゴッホの
生きかたも

また
ぼくの好きな
風の又三郎や銀河鉄道の夜を
書いた賢治も風のように
人生を通り過ぎて
いきました

さて ぼくはというと
自慢できるものは
何もありません
でも 詩や童話にであって
うれしくなったり

ときに 人生のつらさに
であいもしますが
やっぱり 生きているって
しあわせなんだと

きょうは 星が見えない
梅雨空では
ありますが
・・・・・



・写真は梅雨空の下の、南天の白い花たちです・・・・・。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
ふーちゃん、こんばんは。

早いもので、一年も半分が過ぎました。こちらでは、梅雨の為、雨降りの日が多い毎日です。
気がつけば七月。夏という響きも、もうすぐそばにまで響いてきそうですね・・・。

・・・さて ぼくはというと、自慢できるものは何もありません。

そうでしょうか^^

「ときに 人生のつらさに、であいもしますが、やっぱり 生きているって、しあわせなんだと」

こう思える気持ちは、きれいな気持ちだと思いました。これは、自慢せずとも、他の人から、いい人ねと褒められる気持ちだと思いました^^
eri
2015/07/06 00:58
eriさん、ありがとうございます。
きょうは、どんよりとした日で、暑い夏が待ち遠しいです。でも、こうしてブログを書くことができ、気持玉やコメントをいただけるってうれしいです。また、人生、人に迷惑かけなければ、できることをやったほうがいいですね。詩のようなものと、暮らしの隅っこで、向かい合いながら生きてゆけたら・・・。
ふーちゃん
2015/07/06 16:55
ふーちゃん 様

はじめまして・・気まぐれな年寄りですが貴女の手馴れた文章と
上手な纏めに触れ、思わず拍手を送りたくなりました。又時々
お邪魔させてください。ありがとう。
季秋
2015/07/08 16:04
季秋様、コメントありがとうございます。実は文章をまとめるのに苦闘していて、手馴れたようにみえましたらうれしいです。また自分のブログの更新ですが、月一がやっとで、日々、なんとか過ごしている身です。こちらこそ、よろしくです。
ふーちゃん
2015/07/08 20:26
こんにちは。梅雨も明け蝉の声が元気よく夏真っ盛りとなりました。コメント遅くなりごめんなさい。もう七月も終わりです!
南天は実だけではなく花もとってもかわいいですね。
「事実は小説より奇なり」ですが、変わり映えのしない日々のようでも、昨日と今日は違う、同じ日は無いのですよね。微細胞に至るまで日々刻々変化しています。予測困難な急展開もあったりします。小説にもない大波乱があったりもします。
あたふたしないで、詩的に生きていけたらいいですね。

 自宅マンションの外壁修復工事が数日後に完了します。窓がビニールで覆われて外の景色も見えないときがあり、この二か月間、落ち着かなかったです。
huko
2015/07/26 07:59
hukoさん、暑い毎日です。こうしていても汗がでてきます。でも、木陰はそれなりに涼しいです。何もしなくても、日々は過ぎていき、こうしてコメントいただくと、ふと立ち止まります。外壁修復工事が終われば、清々しい景色にほっとしますね。 これからも、よろしくです。
ふーちゃん
2015/07/26 17:45
おひさしぶりです。しばらく更新や訪問をさぼってしまいました。
読んでなかったところを、まとめて読みました。
私はよく、透明人間になりたいって、思うので、透明人間になったお話しには、なんだか共感しました。
ひさしぶりに、ふーさんの詩を読ませていただいて、やっぱりいいなあ・・と思いました。
ふーさんの詩は、とても心がおちつきます。
なー
2015/07/30 23:55
なーさん。ひさしぶりです。早いもので、まもなく八月です・・・。なーさんが、透明人間になったら、どんなふうになるのかな。自由に見えない世界を行き来するのかな・・・。ブログだけの、顔を見ることのないつきあいですが、それもある意味、透明なつきあいなのかも。いつか、ブログ仲間と実際に顔を逢わしたら、それはそれで、びっくりな世界だなと。「なー。の花次元わーるど」まさしく、透明な世界ですね。これからも、よろしくです。
ふー
2015/07/31 18:43

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