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zoom RSS 賢治童話と私  序

<<   作成日時 : 2014/07/01 15:57   >>

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 「賢治童話と私」として、幾つか紹介してきましたが、私の好きな賢治作品について、これからもいろいろと紹介していけたらなと思います・

 
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宮沢賢治は、1896年(明治29)年8月27日生誕、 1933年(昭和8年)9月21日、37歳でこの世を去りました。奇しくもゴッホと同じく、37年の生涯でした。宮沢賢治については、いろんな人がいろいろなことを書いているかもしれませんが、私は賢治が残した作品を通して、自分なりの思いを書けたらなと・・・。いろいろな芸術作品に接する場合、その作者の伝記のようなものを知ることによって、読み方が少し変わることがあるかもしれませんが、作者のことをまったく知らないで、その作品を通して、何かを受け取るということ。初めての新鮮な出会い、そのような、白紙の出会いが好きです。

 私が初めて出会った作品は、「注文の多い料理店」だったように思います。が、詩作品というか、心象スケッチ「春と修羅」の序文に、初めて接したとき、なんか憧れというか、うれしく感じたことを思い出します。そして、この文を読むたび、こんな透明な世界っていいなと、いつも思うのです。

 
  序

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)

これらは二十二箇月の
過去とかんずる方角から
紙と鉱質インクをつらね
(すべてわたくしと明滅し
 みんなが同時に感ずるもの)
ここまでたもちつゞけられた
かげとひかりのひとくさりづつ
そのとほりの心象スケッチです

これらについて人や銀河や修羅や海胆は
宇宙塵をたべ または空気や塩水を呼吸しながら
それぞれ新鮮な本体論もかんがへませうが
それらも畢竟こゝろのひとつの風物です
たゞたしかに記録されたこれらのけしきは
記録されたそのとほりのこのけしきで
それが虚無ならば虚無自身がこのとほりで
ある程度まではみんなに共通いたします
(すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
 みんなのおのおののなかのすべてですから)

けれどもこれら新世代沖積世の
巨大に明るい時間の集積のなかで
正しくうつされた筈のこれらのことばが
わづかその一點にも均しい明暗のうちに
   (あるひは修羅の十億年)
すでにはやくもその組立や質を変じ
しかもわたくしも印刷者も
それを変らないとして感ずることは
傾向としてはあり得ます
けだしわれわれがわれわれの感官や
風景や人物をかんずるやうに
そしてたゞ共通に感ずるだけであるやうに
記録や歴史 あるひは地史といふものも
それのいろいろの論料といっしょに
(因果の時空的制約のもとに)
われわれがかんじてゐるのに過ぎません
おそらくこれから二千年もたったころは
それ相当のちがった地質学が流用され
相当した証拠もまた次次過去から現出し
みんなは二千年ぐらゐ前には
青ぞらいっぱいの無色な孔雀が居たとおもひ
新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
すてきな化石を発掘したり
あるひは白堊紀砂岩の層面に
透明な人類の巨大な足跡を
発見するかもしれません

すべてこれらの命題は
心象や時間それ自身の性質として
第四次延長のなかで主張されます

                        大正十三年一月廿日  宮沢賢治

 この心象スケッチ「春と修羅」の序文のなかに、賢治童話のエッセンスがあり、この序自体が、ひとつの童話となっていると思う私です。

新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層 きらびやかな氷窒素のあたりから すてきな化石を発掘したり
あるひは白堊紀砂岩の層面に 透明な人類の巨大な足跡を 発見するかもしれません

なんて言葉は、もう素敵な賢治童話の世界ではないでしょうか。

 今はネットが発達して、さまざまな仮想世界のゲームやマンガが氾濫していますが、テレビや携帯電話もない時代に賢治が残した童話が、いつまでも新鮮に感じられるのは、賢治童話が自然の息吹を、ちゃんと伝えていて、仮想世界というより、それはもう現実の光と風とあたたかな心をもった動物や人の姿を描いているからではないでしょうか。

 人生大台を過ぎ、身体的な疲れを時に思います。だからこそでしょうか。子供たちや若者たちにエールを送るとともに、年老いた人たちも、いつまでも元気に過ごせたらなと思います。そんななかで、生きていることの喜びを自然とともにうたった賢治童話が、いつまでも素敵なひとつの詩の世界を、差し出していてくれることに感謝です。


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 「幸せって・・・」

生きているって
それだけで幸せなんだよ

鳥たちは空を飛び
魚たちは川や海を泳ぎ
獣たちは森を走り

人間は 祈ります
争いのない 平和な世界が
訪れることを

テレビでは 毎日
悲しい殺戮や
株価の上がり下がりを
報告しています

きょうも どこかで
誰にも看取られることなく
この世を去ってゆく
魂があり・・・

明日を夢見て
生まれて来る
魂があります

こうして
今を 生きている
わたしたち
地球人

みんな 世界で
たった一人のあなたです
あなたの人生は
あなたが幸せになる
ために 用意されて
いるのです

生きているって
それだけで幸せなんだよ


・いよいよ7月です。今年の夏はどんな夏になるかな・・・・。上の写真ですが、毎年、この時期になると家の入口に雑草とともに咲いている可憐なノコギリソウです。人生いろいろですが、これからも、一歩一歩、歩いて行こうと思います。みなさんは、どんな夏をお迎えでしょうか・・・。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ふーちゃんさま、こんばんは。
もう、7月です!
わたしも、絵画でも詩でも芸術作品は、作者について予備知識など無い状態で、自分の感性にまかせて感じる、というのが好きです。宮沢賢治という人のことも、作品は少し読んだと思いますが、殆ど、といっていいくらい、知りません。
詩のようなものを書き始めてまだ二年足らずの新座者です。
ふーちゃんの新しく始まったブログ記事と一緒に、これから「賢治」をわたしなりに感じていけたらと思います。
楽しみにしています。
huko
2014/07/02 00:23
宮沢賢治といえば、中学生になる前に、お小遣いで買った伝記がきっかけで、好きになりました。伝記から、つまりその方の人生観に魅かれて読み始めたことになります。自分より人のことという強い気持ち。自然を愛する優しさ。つつましい暮らし。一冊の中で色々なことを教えてもらったような気がします。詩の中にも、相手の方に、押しつけでない人間の心を感じさせてくれる方ですよね。

ノコギリソウ。随分ギザギザとがった名前ですが、見た目はとても想定外ですね。そのギャップがまた魅力的かもです。こちらでは、ネジバナが咲いていますよ。どちらも工具のような名前ですが、とってもやわらかな雰囲気の花ですよね。
eri
2014/07/02 12:35
hukoさん、ありがとうございます。7月となり活動的な気分になりますね。
賢治作品は、自分にとり愛着がありますので、ときどき紹介して行きたいです。
自分の詩作は停滞気味ですが、お互い、ゆっくりでも進んでいきましょう。
ふー
2014/07/02 15:33
eriさん、ありがとうございます。賢治の自分より人のことという気持ちは、真似は出来ないですね。でも賢治童話からいろいろ受け取ります。
ノコギリソウですが、葉っぱがノコギリの形をしているからかなと。ネジバナという名前ですが、初めて知りました。名も知らぬ花が多々ありますが、可憐な花っていいですね。
ふー
2014/07/02 15:48
お久しぶりです。
宮沢賢治の文章ってほんとうに、どうしてこんなに透明で美しいんでしょうね。
命の美しさがまっすぐまっすぐ見えてる人だったんでしょうね。
ふーさんの詩、いつもとても心に響きます。
なー
2014/07/17 04:49
なーさん、元気でなによりです。
賢治童話の世界っていいですね。なー.の 花次元わーるど、元気いっぱいですね。
「一人きりでも一人じゃない心は大きな大きな何かに繋がっている」
そう感じられれば、幸せいっぱいです・・・。


ふー
2014/07/17 11:21

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